二宮尊徳(Ninomiya Sontoku)
江戸時代後期の経世家、農政家、思想家である。藩主の抜擢により身を起し、諸藩の財政整理・荒地の開拓等 「報徳」の精神の基に産業を振興させた、二宮尊徳(金次郎)の名言を厳選しました。
二宮尊徳の名言集
大事を成さんと欲する者は、まず小事を務むべし。
大事を成さんと欲して小事を怠り、その成り難きを憂いて、成り易きを務めざる者は、小人の常なり。それ小を積めば大となる。
すべての商売は、売りて喜び、買いて喜ぶようにすべし。
売りて喜び買いて喜ばざるは道にあらず。貸借の道も、また貸して喜び、借りて喜ばざるは道にあらず。
善悪と言っても、天が決めたものではなく、結局、人間にとって便利かどうかだけの話である。
貧となり富となる。偶然にあらず、富も因て来る処あり、貧も因て来る処あり。
人皆貨財は富者の処に集まると思へども然らず。節約なる処と勉強する所に集まるなり。
道徳を忘れた経済は、罪悪である。経済を忘れた道徳は、寝言である。
誠実にして、はじめてわざわいを福に変えることができる。術策は役に立たない。
キュウリを植えれば、キュウリと別のものが収穫できると思うな。人は自分の植えたものを収穫するのである。
一人の人間は、宇宙にあっては限りなく小さいが、その誠意は天地をも動かすことができる。
貧者は昨日のために今日つとめ、昨年のために今年つとめる。それゆえ終身苦しんでも、そのかいがない。
富者は明日のために今日つとめ、来年のために今年つとめるから、安楽自在ですることなすことみな成就する。
およそ人と生まれ出た以上は、死ぬのは必定だ。
長生きといっても取るに足らぬほどの相違で、たとえばロウソクに大中小とあるようなものだ。
人と生まれ出た以上は必ず死ぬものと覚悟してしまえば、一日生きれば一日の儲け、一年生きれば一生の得だ。
楽しみを見て直ちに楽しみを得んと欲するものは、盗賊鳥獣に等しい。人は勤労して後に楽しみを得る。
悪いことをした、やれまちがったと気づいても、改めなければしかたがない。
世の中のことは、実行によらなければ事は成就しない。
樹木を植えて、30年たたなければ材木にはならない。だからこそ後世のために木を植えるのだ。
今日用いる材木は、昔の人が植えたものだとすれば、どうして後世の人のために植えないでよかろうか。
世の中の人は皆、聖人は無欲だと思っているが、そうではない。その実は大欲であって、正大なのだ。
賢人がこれに次ぐもので、君子はそのまた次だ。凡夫のごときは、小欲のもっとも小なるものだ。