マイケル・ポーター(Michael Porter)
私はいま、戦略についてプレゼンテーションをする際は必ず、戦略をより良いものにするために戦略と社会貢献のリンクをどう活用すべきかについて言及しています。
事業戦略の社会的な側面は、製品の模倣や独自の生産プロセスよりも模倣することが難しいことが多いからです。
社会と企業との間で価値が共有されるようになるのは、社会だけでなく企業も利益を得られます。
長い目で見れば、より持続可能な競争上のポジションを企業はつくりあげることができます。
社会に変化を生み出すことができるのは、企業が事業活動に密接した社会問題の解決に取り組むときだと私は信じています。
なぜなら、社会と共有できる価値を創造するのに必要なスキルや技術、人脈は企業活動の中に蓄積されているからです。
多くのビジネスリーダーは投資家や株主のためにしなければならないことばかりを考え、
時として「会社が成功するために必要なことは何か」という大局を見失っています。
仕事に情熱を持つだけでは、事業を成功に導くことはできません。情熱があっても失敗する人は大勢います。
情熱や体内から湧き起こるエネルギーと、明確な選択の組み合わせが大切です。
日本企業の歴史的な強みと個性は、組織の全部門が協力して企業全体の質を高めることができる「トータルクオリティー」の概念に体現されていたと思います。
一方、日本企業は歴史的に、戦略の分野が弱かった。戦略というものがいまだに十分に理解されていません。
日本という国の活力源は企業です。
多くの企業が依然強く、国際競争でも健闘している。強い技術力を持ち、イノベーションを起こし続けてもいます。
そうした中、日本の課題は企業がより力強く成長できる環境を整備し改善していくことだ。