ドラマ『偽装の夫婦』
主人公・嘉門ヒロ:
頑張ってください。
あなたが幼稚園と子供たちを心から想っていることは、揺るがない事実なのですから。
主人公・嘉門ヒロ:
そっちは大丈夫ですか?
元彼・陽村超治:
don’t worry♪ no problem♪ we are the world♪
主人公・嘉門ヒロ:
なんだかよく分かりませんけど、good luck。
主人公の母の妹・郷田照乃:
人生なんて辛いのが当たり前なんだから、いい歳して幸せになりたいとか言ってるんじゃないよ、いつまでも。
主人公・嘉門ヒロ:
今日、子どもたちに読んだ絵本で、母キツネが最後につぶやくんです。
「本当に人間は良いものかしら」って…
元彼・陽村超治:
俺はそうだって信じたいな。
子供たちの成長や幸せを願ってるのは、保護者の人たちも同じなんだし、
きっと理解してくれるよ、こっちの気持ちをちゃんと伝えたら。
主人公・嘉門ヒロ:
彼がゲイってことで、あんた達の子供になんか迷惑かけた? 嫌な思いさせた? 傷つけた?
逆でしょ。この幼稚園に通い出して、みんな笑顔が増えたんじゃないの? 生き生きしてるんじゃないの?
主人公・嘉門ヒロ:
それなのに何よお前ら!
いろんな人間の利害や喜びや悲しみを、自分のたったひとつっきりのケチなものさしで測るような真似しやがって。
今のは…ディケンズのデビッド・コパーフィールドの一節です…
主人公・嘉門ヒロ:
だいたい私から見れば、二人とも贅沢です。
私だって…家族のことで悩みたかった。
些細なことで喧嘩したり、何も出来ない自分を不甲斐なく思いたかった。
言いたい言葉に葛藤したり、親に喜んでもらいたいのに、出来ない辛さを味わいたかった。でも私は…
主人公・嘉門ヒロ:
もう…あなたの親友ではいられません。
私…あなたのことが好きなんです。
好きになってしまったんです、身も心も全部。あなたに愛して欲しいんです、身も心も全部。
でも無理でしょ…だから、もう一緒にいられません。