三木谷浩史(Mikitani Hiroshi)
ビジネスの規模は小さくてもいいんですよ。大切なのは創業時から、“大義”を考えること。
よく「株式上場するのが目標」という経営者がいますが、あくまでも上場は手段。もっと大きな目標を追いかけてほしい。
質的な向上も量的な拡大も構いませんが、そもそも「世の中にどんな価値を提供するのか」という本質を熟考すべきです。
僕はよくリスクテイカーだと言われます。でも、本当はそうじゃない。
限りある自分の人生を、精一杯やったんだと思いたいだけ。人生を後悔するという最大のリスクを回避しているんです。
歴史を振り返ってみれば過去にいくらでもヒントはあるのに、先入観や固定観念に左右されてなかなかそこからは学べないのが人間というもののようだ。
けれど、その盲点がビジネスをする人間にとってはチャンスでもあるわけだ。誰も気がついていないからこそ、アイデアの源泉になり得る。
銀行とか商社とか大企業が日本を変えたり、社会を作っていくという時代はもう終わった。
これからはむしろ個人や中小企業が、既成事実を積み重ねて新しい社会を作り、日本を変えていく。
変化する価値観に対応できなければ、いまどんなに新しく見えるビジネスも、結局は衰退していくことになる。
日々改善する意識を持ち続けなければ、この変革期を乗り切ることはできない。僕たちはいま現在、まさにそういう変革期に生きている。