「銀河英雄伝説」の名セリフ
ナレーション:
忍耐と沈黙は、あらゆる状況において美徳となるものではない。
耐えるべきでないことに耐え、言うべきことを言わずにいれば、相手は際限なく増長し、自己のエゴイズムがどんな場合でも通用する、と思いこむだろう。
ヤン・ウェンリー:
人間の行為のなかで、何がもっとも卑劣で恥知らずか。
それは、権力を持った人間、権力に媚びを売る人間が、安全な場所に隠れて戦争を賛美し、
他人には愛国心や犠牲精神を強制して戦場へ送り出すことです。
ナレーション:
絶対的な善と完全な悪が存在する、という考えは、おそらく人間の精神をかぎりなく荒廃させるだろう。
自分が善であり、対立者が悪だとみなしたとき、そこには協調も思いやりも生まれない。
自分を優越化し、相手を敗北させ支配しようとする欲望が正当化されるだけだ。
ヤン・ウェンリー:
どれほど非現実的な人間でも、本気で不老不死信じたりはしないのに、
こと国家となると、永遠にして不滅のものだと思いこんでいるあほうな奴らがけっこう多いのは不思議なことだと思わないか。
ナレーション:
軍事とは政治の一部分、しかも最も獰猛で最も非文明的で最も拙劣な一部分でしかないのだ。
その事実を認めず、軍事力を万能の霊薬のように思いこむのは、無能な政治家と、傲慢な軍人と、彼らの精神的奴隷となった人々だけなのである。