早坂茂三(はやかさ しげぞう)
悪評を恐れることはない。
人の口に戸は立てられない。世の中はやきもちの大海だ。目立つやつは目障りになる。態度のでかいやつには風当たりが強い。
一匹のいぬが吠えれば、ほかの万匹の犬が、わけも分からずにいっせいに吠えたてる。日本はそういう国だ。
妥協せず、自ら恃むところさえあれば、自分の本心だけは譲らないという気構えでやれば、何とかやれる。そうして私は生きてきた。
失敗はイヤというほど、したほうがいい。死にさえ至らなければ、何回も繰り返しひどい目に遇ったほうがいい。
自分が胸打たれた話を家や職場に土産として持ちかえる。
家族や仲間に伝えて、一緒に感動を反芻する。いい話、本当の雄弁とは、もともと、そうしたものだ。