Yellow Music(イエローミュージック)
星野源さんがアルバム「YELLOW DANCER」制作時に提唱した音楽ジャンル「Yellow Music」。源さんがラジオ内でセレクトした楽曲をまとめました。
Yellow Musicとは、『海外の音楽に憧れや影響を受けながらも、その真似や質感の追求だけではなく、日本人としての音や世界観を実現したポップス』のことです。
上を向いて歩こう/坂本九
親がジャズが好きで幼い頃から聴いてたんですけど、この曲はジャズを基調としていて、
1961年のリリースなんですけど、モダンジャズが生まれたのが1941年頃だったかな?
それ以前のアーリージャズに近いツービートのような、そんな音楽を基調としているように僕は思いました。
なので1961年の時点で、たぶん懐メロっぽい感じだったんじゃないかなと。
詩とか言葉の置き方は日本で、曲はジャズで、歌い方がロックであるという。
いろんな国・人種の音楽が入り混じってるんだけど、ニッポンの国民的名曲じゃないですか。
たぶん何十年、何百年経っても、日本人はこの曲を聴くと、懐かしいはずなんですよ。
ドラえもんの未来のような世界になっても、きっとこの曲を聴いたら、この曲の中の景色が浮かぶような、そんな名曲なのではないかと。
「イエローミュージックの元祖」的存在だと勝手に思っています。
蝶々さん/細野晴臣
「蝶々さん」って曲は、いろいろな国の音楽をごちゃ混ぜにして、細野さんっていうフィルターを通して、しかもポップであるという1曲です。
沖縄民謡とかニューオリンズの音楽、エキゾチカの要素もあり、いろんな要素が入っている。
『Just-aチョトマテmoment please』って歌詞があるんだけど、「最高だな・・」っていう(笑)
なんでそこに「チョトマテ」を入れるんだ?だけど歌うとチョー気持ちいいみたいな。
その感覚は日本人じゃないと、そして細野さんにしか出来ないみたいな。
中央フリーウェイ/松任谷由実
歌詞の入れ方が良いっていうか、その場所を通った人も、通ってなくてもわかる、道の感じが。
小っちゃい頃からずっと聴いてたから、自分の作曲の中で、ジャズのコード進行が自然と出てきちゃったり。
ユーミンさんの曲の作り方だったり、曲のコード進行にすごく影響を受けているんだなと、聴くと思いますね。
イントロが70年代のマーヴィン・ゲイのような香りがするというか、ソールミュージックの香りがして、でも日本の歌であるっていう感じがすごく好きですね。
AメロとBメロだけで出来てるんですよね。サビがないっていう。
Aメロをやって、Bメロに行って、もう1回来るAメロがサビのように聴こえるという。
僕の中では『くだらないの中に』って曲がそうなんです。
まっぴらロック/クレイジーケンバンド
聴いて本当に本当にビックリして(笑)「なにこの音楽!?訳がわからないよ」みたいな。
もちろん基礎となるビートがボサノバというか、ソフトサンバというか、ハードボッサというか、ブラジル音楽が下地にあり、
ブラジル音楽にマシュケナダという曲があるんですけど、そのイントロにとても似ている。
でも歌は演歌だったり、童謡だったり、そういうメロディーをいきながら、サビで「まっぴらロック!」って言うんですけど、サビの音色が二音なんですよ。
ず~と一音で行くんですよ。同じ音程で「なんまいだあ なんまいだあ」と言って、「まっぴらロック!」に行って、その二音しかないんです。
なのにすごくポップであるという。そしてしっかりサビとして感じれる。
ボサノバだったり、ロックだったり、いろんな教祖がごちゃ混ぜになりながらも、横山剣さんにしか出せない味、そしてクレイジーケンバンドのメンバー一人一人のニュアンスがしっかり出てる。
全員のダシが出てる(笑)素晴らしい1曲です。