武田信玄 (たけだ しんげん)
いくら厳しい規則を作って、家臣に強制しても、大将がわがままな振る舞いをしていたのでは、規則などあってなきがごとしである。
人に規則を守らせるには、まず自身の言動を反省し、非があれば直ちに改める姿勢を強く持たねばならない。
大将たる者は、家臣に慈悲の心をもって接することが、最も重要である。
今後は、一人働きは無用である。足軽を預かっていながら独りよがりの行動をとれば、組の者は組頭をなくし、味方の勝利を失うことになるからだ。
三度ものをいって三度言葉の変わる人間は、嘘をつく人間である。
一日ひとつずつの教訓を聞いていったとしても、ひと月で三十か条になるのだ。これを一年にすれば、三百六十か条ものことを知ることになるのではないか。