村上春樹(むらかみ はるき)
孤独好きな性格を守るのに、誰にも迷惑をかけてないはずだという論理逃げである。
孤独は闘い取るものだ。闘い取られていない孤独は、いつか人の心を蝕む。
人生で一番きついのは、心ならずも誰かを傷つけてしまうことであって、自分が傷つくことではありません。
ものごとがあまりに完全だと、そのあとに決まって反動がやってくる。それが世のならいだ。
制度は自己増殖してわたしたちを殺すようになったり、わたしたちに他人を冷酷かつ効果的、組織的に殺させる。
自分に同情するな。自分に同情するのは、下劣な人間のやることだ。
人間には欲望とプライドの中間点のようなものが必ずある。全ての物体に重心があるようにね。
僕らはとても不完全な存在だし、何から何まで要領よくうまくやることなんて不可能だ。
不得意な人には不得意な人のスタイルがあるべきなのだ。
誰もが恋をすることによって、自分自身の欠けた一部を探しているものだからさ。
だから恋をしている相手について考えると、多少の差こそあれ、いつも哀しい気持ちになる。
僕たちは一年ごと、一月ごと、一日ごとに齢を取っていく。
時々僕は自分が一時間ごとに齢を取っていくような気さえする。そして恐ろしいことに、それは事実なのだ。