芥川龍之介(Akutagawa Ryuunosuke)
人間とは何かとの問いに真摯に向かい続け、『地獄変』『羅生門』を代表とする数々の作品を残した。海外での人気も高く、その作品は世界三十か国語に翻訳されている。
芥川龍之介の名言集
われわれを恋愛から救うものは、理性よりもむしろ多忙である。
人間的な、余りに人間的なものは大抵は確かに動物的である。
女人は我々男子には正に人生そのものである。即ち諸悪の根源である。
天才の悲劇は「小ぢんまりした、居心地のよい名声」を与えられることである。
人生を幸福にするためには、日常の瑣事を愛さなければならぬ。
私は不幸にも知っている。時には嘘によるほかは語られぬ真実もあることを。
他人を弁護するよりも自己を弁護するのは困難である。疑うものは弁護士を見よ。
民衆の愚を発見するのは必ずしも誇るに足ることではない。が、我々自身も亦民衆であることを発見するのはともかくも誇るに足ることである。
自然を愛するのは、自然がわれわれを憎んだり、嫉妬しないためでもない事はない。
恋愛はただ性欲の詩的表現を受けたものである。少なくても詩的表現を受けない性欲は恋愛と呼ぶに値しない。
創作は常に冒険である。所詮は人力を尽した後、天命にまかせるより仕方はない。
軍人の誇りとするものは、小児の玩具に似ている。なぜ軍人は酒にも酔わずに、勲章を下げて歩かれるのであろう。
我々に武器を執らしめるものは、いつも敵に対する恐怖である。しかもしばしば実在しない架空の敵に対する恐怖である。